固定デスクからフリーアドレス制に混乱なく移行するために準備すべきポイント
テレワークが急速に一般化したことにより、コロナ後に「オフィスを縮小したい」と考える企業は3割を超える※といいます。一方、マイナビ2021年卒大学生就職意識調査によると、学生が行きたくない第2位は「暗い雰囲気の会社」(29.5%)。雑然としたオフィスからいち早く脱出しなければ、優秀な人材の確保が難しくなってきました。
これら二つの課題の解決策の一つがフリーアドレスです。社員の人数未満のデスクにして、スペースの無駄を省き、机上が常に整理整頓され、かつコミュニケーションも活性化されることで、会社の雰囲気が明るくなります。
混乱なくフリーアドレス制に移行するための準備を、社員20名~30名の小さな会社専門の5Sコンサルタントがご紹介します。
※2020年9月18日ザイマックス不動産総合研究所調べ
フリーアドレス移行後に想定される混乱
1990年代から日本で導入されはじめたフリーアドレス。全ての企業で成功しているわけではなく、移行後混乱するオフィスは多くあります。
・いつの間にか座るデスクが固定されている。
・個人の荷物が置きっ放しになっている。
・紛失や盗難などのセキュリティーが心配。
・誰がどこに座っているか分からず、仕事がやりにくい。
・プライベートロッカーに荷物が入りきれない。
などの社員からの不満が。
事前の説明不足や準備不足による混乱がほとんどです。移行に際しては、目的や協力依頼事項など 社員への丁寧な説明が絶対条件となりそうですね。
フリーアドレスに向いている企業の特徴
混乱が生じるオフィスもある一方、比較的スムーズに移行できる企業には以下の特徴があります。
①オフィスの外で仕事をする社員が多い
営業担当や、お客様先に出向いてサービスを提供する社員が多い場合には、固定デスクを減らすことについての抵抗感が少なく、フリーアドレスへの抵抗も少ないです。固定席を減らして生れたスペースを、ミーティングのためのスペースにすることも可能ですね。
②テレワークの環境が整っている、もしくは同時並行で進めていく予定
ノートPCやモバイル端末といったハード面、情報がペーパーレス化され管理されているといったソフト面の両面でテレワーク環境が整っていくと、社内でのフリーアドレスはスムーズにできます。
☑LINEWorksなどのチャットツールを連絡手段に付け加える
☑予定をGoogleカレンダーなどデジタルで共有する
というように、無料のスマホアプリを活用して、情報をペーパーレス化できます。災害対策としても、ペーパーレス化を初めていきたいものですね。
フリーアドレスに移行する前の準備
①全社員へ現状のオフィスの不満や改善ポイントをヒアリング
前述した混乱を避けるために、そして女性や学生からも選ばれる会社になるため、ヒアリングは必ず行います。
チームミーティングや面談、アンケートフォームなど、正直な意見が集まるような工夫(匿名にするなど)も忘れないでくださいね。
・コピー機が遠い
・具合が悪いときに休憩するスペースがない
・打ち合わせスペースが足りない
・もっとオシャレなオフィスがいい
私がご支援しているところでは、上記のような意見が集まりました。
②改善ポイントをレイアウトに落とし込む
・フリーアドレスデスク
・プライベートロッカー
・コピー機の場所
・打ち合わせスペースの場所
などをどこにするか、社内でディスカッションしてみましょう。
この時に、ホワイトボードとプロジェクタがあると、ディスカッションに便利です。
写真のように今のレイアウト図面をホワイトボードに映し出し、変更後のデスク等の位置を記入していきます。
現状との比較ができるため、具体的にイメージできますよ。
③廃棄する什器と新たに購入する什器をリストアップ
例えば、一般的な引き出し付の事務机は、フリーアドレスには向かないため「廃棄」。買取してもらえるかなどは、早めに調べておきましょう。
代わりに引き出しがついていないデスクや、パーソナルロッカーが必要に。
コストを抑えるためには、「新品」購入ではなく「中古」や「レンタル」という方法もありますので、同時に調べてみることをおススメします。
また、配線や電話の工事が必要な場合もあります。専門業者への相談はお早めに。
④フリーアドレスにするためのコスト(概算費用)を算出し、費用対効果などから方針を決定
ここで、ようやく概算費用が算出できます。
どれくらいの費用をかけるのか、いつまでに完了させるのかなどの方針を確定させましょう。
⑤推進体制やスケジュールを決めて実行
ここまでで目的・目標・コストが整理できますので、推進体制やスケジュールを決めて実行します。
まとめ
フリーアドレスを導入してデスクの数が減らせると、オフィスコストの縮小につながります。机上が常に整理整頓されかつコミュニケーションも活性化されることで、会社の雰囲気が明るくなります。しかし固定デスクがなくなると不便に感じる社員が多く、事前の目的説明が重要です。働く社員の現状での不満を把握し、できるだけ多く解決。固定デスクからフリーアドレスの移行時の混乱を最小限に留めましょう。
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